2006-01-01から1年間の記事一覧

背中(せな)の銀杏と緋牡丹が  泣いている

*棒を飛ばすような話し方 健さん(高倉健)がいまのようなぶっきらぼうな話し方になったのは、いつの頃からなのだろう。ぼくは小学生のときに「網走番外地」シリーズを見て、健さんに惚れた口で、あのときはすでにいまの投げ出したような、棒のような話し方にな…

 「大いなる幻影」にはコケた  ―ルノワール入門

*ギャバンのあどけなさ ジャン・ルノワールの「大いなる幻影」、1937年の作で、主演のジャン・ギャバンが33歳である。ルノワールは同年に「望郷」をギャバンで撮っている。ギャバンは芸人の子で、若い頃は場末のキャバレーなどで歌っていたという。ルノワールは…

チャンバラ映画が最先端だった―山中貞雄

*現存は3作品 山中貞雄には木下恵介と同じく天才という接頭辞が付く(なぜ巨匠でなく天才なのかは「木下恵介」の項を参照)。「人情紙風船」を撮って従軍、戦死(南京陥落のあとどこかで洪水に遭い、下痢症状などで徐州近くの開封という町の軍病院に入院し、帰…